マチネの終わりに
マチネの終わりに
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予告編
最初、予告編で見たときは、大人の恋愛映画というイメージで雰囲気の良さから、興味をそそられた。主演の2人(福山雅治、石田ゆり子)から醸し出される大人な感じ、パリやニューヨークの街並み、あとは何と言っても「世界のどこかで洋子さんが死んだら、僕も死ぬよ」というセリフ。。
正直、最初は雰囲気映画だと思い込み映画館へ行くことにした。
やっぱり雰囲気はよかった
予告編で見たようなパリやニューヨークの街並み、あとはクラシックギターを弾くシーン、終始物語の後ろでながれるクラシックギターの切なさや怒りの表現が、各人物の心情を表現しているようで、帰り際にサウンドトラックをダウンロードしてしまった。
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未来が過去を変える
この映画で洋子さんが槙野さんに惹かれるきっかけになった言葉。
昔の好きな思い出が、その後のある出来事によって、同じように思い返せなくなることがある。これは2人が最初に出会った時に、洋子さんが昔、家の庭で楽しく遊んでいた岩で、おばあさんが頭をぶつけて亡くなってしまったというエピソードで、槙野さんが「記憶のことを言ってるんじゃないかな」と言っていたところ。
そのあと、槙野さんが今日の演奏のことをよくないと言っていたところを、「今日のこともよかったと思える未来が来るかもしれない」と言っていた。
つまり、過去の嫌な出来事も、未来の出来事によって、良い出来事に変わるということ。洋子さんが事件に巻き込まれた時も、「今日の出来事を変える未来を作らなければならない」と言っていた。
あなたが死んだら、僕も死ぬよ
なんともすごいセリフ。
「洋子さんが世界のどこかで死んだら、僕も死ぬよ。洋子さんが自殺したら、僕も自殺する。洋子さんが自殺しようと思ったときは、同時に僕を殺すことと思ってもらいたい。」
槙野さんが洋子さんが結婚することを知っていて言ったセリフ。むしろ結婚を止めに来たと。
困惑する洋子さんに槙野さんが言ったことは、またしても「記憶」のこと。
「一度出会ってしまったら、洋子さんがいない人生は考えられない。現実ではない。この現実を生きる上では、あなたがそばにいないと意味がない。」
過去の出来事はなかったことにはできない。その出来事がなかった現実など存在しない。その出来事を受け入れるしかない。自分の感情をぶつける槙野。
この映画のテーマ
色々と出来事があったが、それをなくすことはできない。ならば、その過去の出来事が良い出来事と思えるように、未来を良いものにしていく。それがこの映画のテーマに感じられた。過去は記憶の中にしか存在しない。